アメリカカンザイシロアリのコロニー構成②

KSバスターズの中根です。
前回は大まかなコロニーの構成についてお話ししました。
今回はもう少し細かく、アメリカカンザイシロアリのコロニー構成についてお話していきます。

アメリカカンザイシロアリの階級を成長順に並べます。

①卵:読んで字のごとく卵です。ここから始まります。
②幼虫:1齢から4齢までの小さくて白くて色の薄い段階です。胸部に翅芽はありません。
    ヤマトシロアリとほぼ見分けはつきません。食欲旺盛で、積極的に食害します。
    私が観察したところ、職蟻として働いているようです。
③擬職蟻:5齢の翅芽が未発達のニンフです。形態の変化しない無変化脱皮を繰り返します。
     また、他階級への分化能力(兵蟻、生殖虫)を持ちます。
④兵蟻:4齢幼虫、擬職蟻、稀にニンフから分化する。幼虫から分化したものは小型で、
    若いコロニーに見られます。戦闘を担当する階級で、大きな顎が特徴。
⑤ニンフ:胸部に翅芽があります。6齢の第1ニンフの翅芽は短く、7齢の第2ニンフは長いです。
     複眼がだんだん黒くなります。
⑥副生殖虫:生殖虫が生殖できなくなった時、生殖腺が発達して生殖虫の代わりをすします。
      6齢の第1ニンフから容易に分化します。雌雄1対からでもコロニーを再生できます。
      擬職蟻と第2ニンフからも分化します。コロニーが1000頭を超える8年目から、
      数頭コロニー内に出現します。
⑦有翅虫(成虫):第2ニンフから脱皮し、翅を持ちます。営巣2年目までは分化せず、4~6年目
         から分化し始めます。
         一斉に飛び立つ群飛を行い、雌雄が出会って別の場所に営巣します。
⑧第一次生殖虫:群飛後、翅を落としてつがいになった女王と王。

次回は構成割合などについて触れていきたいと思います。
ややこしい部分なので、丁寧に進めていきます。

参考文献
アメリカカンザイシロアリの生態と防除法,森本 桂,木材保存(Wood Preservation)35(2),44-51(2009)


     

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