KSバスターズの中根です。
今回はアメリカカンザイシロアリの交尾と営巣について触れていきたいと思います。
群飛後、翅アリは着地した木材に翅の先端をひっかけるようにして翅を落とします。
そうしてオスメスの二匹が出会うと、頭と頭を合わせて触角を互いに撃ち合います。
次に、メスの尾の先にオスの頭を連結し、二匹一体となって営巣場所を求めて移動します。
合体したオスメスは、木材の割れ目や隙間などに入り込みます。
まず一匹が潜れる穴を掘り、二匹が内部で活動できるほどに深くなると、入り口を木くずと粘液で詰めてしまいます。
ここで面白い実験結果があります。
表面に割れ目や穴のない木材をアメリカカンザイシロアリのオスメスに与えたところ、穴を掘れず営巣を失敗しています。
今度は人為的に直径3㎜深さ20㎜の穴をあけて木材を与えたところ、スムーズに営巣できました。
自身で穴を掘るカンザイシロアリですので、穴の開いていない木材には穴を開けられないというのは、なんとも意外でした。
穴あき木材を好むのであれば、あえて穴あきにして薬剤に漬け込んだ木材を用意し、外に放置するとベイト効果を発揮するかもしれませんね。
参考文献
アメリカカンザイシロアリの生態と防除法,森本 桂,木材保存(Wood Preservation)35(2),44-51(2009)
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